日本映画

『愛なのに』 肉は悲し

著名な映画監督二人(今泉力哉と城定秀夫)が、互いの脚本を映画化するという新しい企画による第1弾。古本屋の店主の多田は、ある日、女子高生の岬からプロポーズされる。突然の告白に驚きつつも、多田はそれを丁重に断ることになるのだが……。
外国映画

『選ばなかったみち』 一人が二つの場所を同時にoccupyする

認知症でひとりでは生活もままならないレオと、その娘モリーの1日を追う。レオの脳内では過去の想い出が巡っている。そのおかげでレオはそこに居るのに、別の場所に居るかのように心ここにあらずという状況だ。モリーはそんな父親を病院へ連れていくのだが……。
外国映画

『モロッコ、彼女たちの朝』 取っ組み合いからダンスへ

大きなお腹を抱えたサミアは、カサブランカの街で住み込みの仕事を探している。しかしそこはイスラム社会であり、未婚の母はタブーとなる。だからサミアを助ける人は誰もいないのだが……。モロッコの長編劇映画として日本で初めて劇場公開された作品。
外国映画

『白い牛のバラッド』 視点のブレ?

無実の罪によって夫を処刑されたミナ。1年後、それが冤罪であることが判明するものの、夫は帰ってくることはない。そんなある日、レザという夫の旧友がミナの前に現れる。レザはミナと聴覚障害のある娘の援助者となるのだが、実はレザには秘密があり……。
外国映画

『PITY ある不幸な男』 “悲劇の主人公”は気持ちいい?

主人公の弁護士は朝から声を上げて泣いている。というのも、彼の妻は病院で昏睡状態にあるからだ。彼は妻に起きた出来事を悲しみ、動けない妻に尽くす日々を送る。ところが、奇跡的に妻が昏睡状態から目覚めることになると、彼は調子を狂わせることになり……。
日本映画

『ちょっと思い出しただけ』 決定的な分岐点

2021年7月26日、34歳の誕生日を迎えた照生(池松壮亮)。彼は本作の主人公だが、本作にはもう一人の主人公がいる。それはタクシー運転手をしている葉(伊藤沙莉)だ。本作は「7月26日」という1日を1年ずつ遡るスタイルで展開していく。
外国映画

『ギャング・オブ・アメリカ』 グレーの濃淡

アル・カポネなどとも並べられるギャング、マイヤー・ランスキーについて描いた作品。作家のデヴィッドはランスキーの伝記を書くために、彼から話を聞くことになる。FBIはランスキーが巨額な資産を隠しているとして、デヴィッドに協力を依頼するのだが……。
日本映画

『麻希のいる世界』 真っ直ぐな感情を肯定する

命の危機にある由希は、生きる証を求めている。それは麻希という同級生の歌声によって決定される。ところが麻希は複雑な家庭環境もあって、与えられた才能に向き合おうとはしないのだが……。主人公は『さよなるくちびる』の脇役から抜擢された新谷ゆづみと日髙麻鈴。
外国映画

『ロスト・ドーター』 「失われた娘」とは誰のこと?

ギリシャの海辺の町にバカンスに来たレダは、そこで若い母親と娘の姿を見て自分の過去を想い出す。それはレダにとって辛い記憶だった。レダは若い頃、キャリアのために娘たちを捨てて家を出たからだった。女優マギー・ギレンホールの初監督作。
日本映画

『さがす』 探しものは見つかるのか?

「お父ちゃんな、指名手配中の連続殺人犯見たんや」そんなことを言っていた父親(佐藤二朗)が失踪する。楓(伊東蒼)はそんな父をさがすことになるのだが、さがした先には連続殺人犯の男(清水尋也)がいる。一体父親はどこへ行ってしまったのか?
外国映画

『ハウス・オブ・グッチ』 In the name of Gucci

高級ブランド・グッチに起きたある事件を題材にした実録もの。パトリツィア・レッジャーニ(レディー・ガガ)は、グッチ家のマウリツィオ(アダム・ドライバー)と出会い、彼に積極的にアタックする。実はこの出会いがグッチ家を崩壊させる第一歩となるのだった。
外国映画

『クライ・マッチョ』 受け入れるか抵抗するか

かつてのロデオスターのマイクは、今では年老い孤独に暮らしていた。そこへ元雇い主が現れ、メキシコにいる息子ラフォを連れ戻す仕事を依頼する。彼に恩があるマイクはその仕事を受けることになるのだが……。クリント・イーストウッドが監督・主演で描く最新作。