2020-06

外国映画

『未知への飛行』 失敗学は有効か?

『未知への飛行』は、1964年に公開されたシドニー・ルメット作品だが、同年には同じテーマの『博士の異常な愛情』があったせいで隠れてしまう形になった不遇な作品。 冷戦時代、機械の誤作動によってアメリカの爆撃機がモスクワへと核爆弾を投下する作戦が始動する。大統領はそれを止めるためにあり得ない決断をすることに……。
外国映画

『ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語』 一石二鳥の離れ技

『レディ・バード』のグレタ・ガーウィグが監督を務めた、ベストセラー『若草物語』の再映画化。 本作が過去の『若草物語』と異なるのは、主人公ジョー(シアーシャ・ローナン)が『若草物語』を書き始める「現在」と、四人姉妹が揃って暮らしていた「過去」が交互に描かれていくところ。この構成がラストに活きてくるのが本作のうまいところ。
外国映画

『その手に触れるまで』 狂信の代償

カンヌ映画祭の常連、ジャン=ピエール&リュック・ダルデンヌ兄弟の最新作。 アメッドはまだ幼さが残る少年なのに、イスラム教の導師に洗脳される形で、テロ行為を起こす。結局はそれは失敗に終わったのだが、アメッドは矯正施設に入れられても信念を変えようとはしない。母親や周囲の人たちは、アメッドの洗脳を解こうとするのだが……。
ドラマシリーズ

『ブレイキング・バッド』 公園なんてつくるだろうか?

評価の高さがギネスに認定されたテレビドラマ。 肺ガンで余命数年と宣告された高校教師ウォルターは、自分の化学の知識を利用して麻薬製造を始める。自分の為すことはすべて家族のためと語っていたウォルターだが……。 荒野にブリーフ一丁のおじさんが独りという出だしから、一気に引き込まれる。海外ドラマってやっぱりおもしろいのね。
外国映画

『罪と女王』 男女の間の非対称性

新型コロナによる自粛も解除され、久しぶりに映画館で映画を観ることが可能に。 本作はサンダンス映画祭で観客賞を受賞したデンマーク映画。アンネという男性に対して一歩も退くことのない女性が、自分の家に同居することになった夫の連れ子に手を出してしまう。大人の女性が未成年と関係を持つというのは明らかに犯罪なのだが……。