外国映画

『ルクス・エテルナ 永遠の光』 地獄巡りという恍惚

ギャスパー・ノエ監督の最新作。ラストの磔のシーンを撮りたかっただけかと思わせる中編で、ほとんどそのワン・アイディアで押し切っていく。ラストの光の点滅シーンは、端的に言えば真っ当に見られるものではないかもしれない。
外国映画

『天使/L’ANGE』 何を観たのか?

1982年公開の実験映画のリバイバル。 説明することも難しい音と映像の世界。『アンダルシアの犬』も意味不明な話だったが、何が描かれているのかは明確だった。しかし、『天使/L'ANGE』においては自分が観ているものが何のかもよくわからなくなってくる。
日本映画

『ホテルローヤル』 やさしさが仇に

ラブホテルを舞台にした群像劇だが、『さよなら歌舞伎町』がある1日の話だったのに対し、『ホテルローヤル』はそこが訳あって廃業するまでの長い時間が追われる。また、ラブホテルは非日常的な空間だが、本作においてはごく普通の人々の姿が描かれていく。
日本映画

『ビューティフルドリーマー』 みんなで映画をつくろう

タイトルからもわかる通り本作は、『うる星やつら2 ビューティフルドリーマー』が元ネタだ。かつて押井守監督が映画化した作品だが、原作者の怒りを買ったとも噂されている。本作はその元ネタを実写で寸分違わず再現しようとする映画研究会の面々の奮闘を描く。
日本映画

『おらおらでひとりいぐも』 自由でやりたい放題

75歳の桃子さんの日常を描く137分。さぞかし退屈な時間なのかと思うと裏切られる。桃子さんにはほかの人に見えない三人衆がついているからだ。三人は実は桃子さんの「寂しさ」だ。それが桃子さんの分身となり、脳内では賑やかな会話が繰り広げられる。
日本映画

『罪の声』 一方的な断罪

「グリコ・森永事件」をモデルとした作品。本作は80年代半ばに世間を賑わせた未解決事件の真相を推理するフィクションだが、もしかしたら本当に事件はそんなふうに起きていたんじゃないかと思わせる説得力があり、真相を手繰り寄せていく展開には惹き込まれる。
外国映画

『ザ・ハント』 どっちもどっち

トランプ大統領が激怒して公開が危ぶまれることになった作品。 本作がトランプ大統領の支持者である保守層が、民主党支持者に多いリベラルエリートたちに殺されていく話になっているからだ。トランプ大統領はSNS上でハリウッドを非難したらしいのだが……。
日本映画

『朝が来る』 二つの立場

養子縁組には二つの立場がある。「子どもを手放さなければならない親」と「子どもが産めない親」だ。普通両者はあまり関わる機会がないために、互いのことを本当に理解することもない。本作がラストで示す展開は製作陣の希望が込められているのだろう。
日本映画

『人間の條件』 戦争はいやだ

世の中には多くの矛盾があり、不条理が支配している。戦争はそれをより明確にする。平和の時代においても、殺したほうがいいと思うような輩は少なくない。戦争という非日常的な状況は、明らかにそれを助長する。そうしたことが「人間の條件とは何か?」を考えさせる。
日本映画

『スパイの妻<劇場版>』 理解できるか、俺たちを

ヴェネチア国際映画祭で銀熊賞を獲得した黒沢清監督の最新作。 普遍的な正義のために売国奴となることも厭わない夫のため、聡子はスパイの妻と呼ばれる覚悟を決める。聡子にとっては正義/不正義といったことよりも、夫と一緒に行動することが重要だったからだ。
日本映画

『星の子』 つながりはいいか悪いか

ちひろの病気を治すために、あやしげな新興宗教に入れ揚げることになった両親。ちひろはそんな両親のことが大好きだが、やはり世間とのギャップを感じることになる事件も起きる。ちひろは世間と両親との間で揺れ動くことになるのだが……。
外国映画

『82年生まれ、キム・ジヨン』 自戒を込めて

韓国で130万部のベストセラーとなり、社会現象となった原作の映画化。 家父長制が色濃く残る社会で差別的な扱いを受ける韓国の女性たち。キム・ジヨンという名前は82年に生まれた人の中で一番多いのだとか。そんなどこにでもいる女性が主人公ということになる。
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