日本映画

『怪物』 ラストシーンの二種類の解釈

シングルマザーの早織は、大切な息子・港の異変に気づく。早織がそれを問い詰めると、港はクラスの担任からの暴力について語ることになる。息子を守るために学校へ乗り込む早織だが、学校側の対応は酷いもので……。
外国映画

『aftersun/アフターサン』 結末を知らない観客

20年前のトルコでのバカンス。そんなビデオの映像を振り返るソフィ。そこには20年前の父親の姿もあった。それによって思春期真っただ中のソフィには見えなかった父親の姿を見出だしていくことに……。
外国映画

『ソフト/クワイエット』 単に声がデカいだけ

ある会合に集まった6人の女性たち。彼女たちは多文化主義や多様性が重んじられる現代の風潮に反感を抱き、有色人種や移民を毛嫌いしている。内輪だけで盛り上がる差別主義者は、その後、アジア系の女性たちとトラブルになり……。
外国映画

『天使が隣で眠る夜』 放っておけないという気持ち

中年セールスマンのシモンはミッキーという刑事と出会い、彼の手伝いをすることに。ところがミッキーは事件に巻き込まれて植物状態になってしまう。一方、初老の賭博師マルクスは、たまたま出会ったジョニーという青年になぜかなつかれてしまい……。
外国映画

『少年と犬』 愛という幻想

あの『マッドマックス2』にも影響を与えたとされる幻の日本未公開作品。西暦2024年、世界は第4次世界大戦によって荒廃している。主人公のヴィックはそんな弱肉強食の世界を、相棒の喋る犬ブラッドと生き抜いていくのだが……。
外国映画

『TAR/ター』 何がリディアに残ったか?

アカデミー賞やグラミー賞なども獲得し、世界的な指揮者として誰もが認めるリディア・ター(ケイト・ブランシェット)。クラシック界の頂点にいる彼女だが、かつて彼女が指導した若手指揮者の訃報が入り、ある疑惑をかけられたターは追い詰められていく。
外国映画

『ジュリア(s)』 別の宇宙を生み出す感情

タイトルはジュリアの複数形だ。「ベルリンの壁崩壊に立ち合っていたとしたら?」「本屋で彼に出会ってなかったら?」「コンクールの結果が違ったら?」そんなあり得たかもしれない別のジュリアの姿が描かれるのだ。
外国映画

『それでも私は生きていく』 悲喜こもごもの人生

サンドラは、通訳の仕事に就きながら8歳の娘リンを育てるシングルマザー。父親のゲオルグは病によって視力を失いつつあり、施設に入ることを余儀なくされる。そんな中、旧友のクレマンと偶然再会し、二人は恋に落ちていくが……。
外国映画

『ピーター・パン&ウェンディ』 不健全な男たち

幼い頃から過ごした家を離れたくない少女ウェンディは、大人になることを拒む少年ピーター・パンと出会う。兄弟たちや小さな妖精ティンカー・ベルとともに、ウェンディはピーターに導かれ、魔法の世界ネバーランドへと旅立つ。
外国映画

『午前4時にパリの夜は明ける』 なぜ80年代なのか?

結婚生活が終わりを迎え、ひとりで子供たちを養うことになったエリザベートは、深夜放送のラジオ番組の仕事に就くことに。彼女はそこで外で寝泊まりしているというタルラと出会い、自宅へ招き入れることに……。80年代のパリを舞台にしたミカエル・アース最新作。
日本映画

『ビレッジ』 東京になくて田舎にあるもの

優は母親の借金を肩代わりさせられている。村にはゴミの最終処分場があり、昼は真っ当なゴミ処理施設だが、夜にはヤバい廃棄物を受け入れている。優はそんな場所で昼も夜もなく働かされていた。ところがあることをきっかけに優の立場は一変することに……。
外国映画

『聖地には蜘蛛が巣を張る』 シリアルキラー in Iran

聖地マシュハドで起きた娼婦連続殺人事件。“スパイダー・キラー”と呼ばれた犯人は新聞社に電話をかけ、「街を浄化する」などと主張する。女性ジャーナリストのラヒミは危険を顧みずに果敢に事件を追っていくのだが……。