2023-06

外国映画

『遺灰は語る』 達観した視点

主人公はノーベル賞作家ピランデッロの“遺灰”である。「遺灰は故郷シチリアに」と遺言を残すが、時の独裁者ムッソリーニは、作家の遺灰をローマから手放さなかった。戦後、ようやく彼の遺灰が、故郷へ帰還することになるのだが……。
日本映画

『リバー、流れないでよ』 うたかたの日々

仲居のミコトは、川のほとりに佇んでいたところを女将に呼ばれ仕事へと戻る。だが2分後、なぜか再び先ほどと同じく川を前にしている。この事象はほかの人たちにも起こっていることが判明する。ミコトたちはループしているのだ。しかもちょうど2分間!
外国映画

『青いカフタンの仕立て屋』 自分らしい生あるいは死

伝統のカフタンを制作する職人のハリム。昔ながらの手仕事にこだわる夫を支えるのは、接客担当の妻ミナだ。積み上がる注文をさばくために、2人はユーセフと名乗る若い男を助手に雇うのだが……。
外国映画

『ザ・フラッシュ』 文句のない娯楽作?

地上最速のヒーロー、フラッシュことバリー・アレンは、そのスピードで時間をも超越し、幼いころに亡くした母と無実の罪を着せられた父を救おうと、過去にさかのぼって歴史を改変してしまう。
日本映画

『夜明けまでバス停で』 世代を超えたメッセージ

渋谷区幡ヶ谷のバス停で夜中に仮眠していた60代のホームレスの女性が、40代の男に撲殺された「渋谷ホームレス殺人事件」。本作はその事件を参考にして作られたフィクションだ。
外国映画

『苦い涙』 ペトラからピーターへ

1972年のライナー・ヴェルナー・ファスビンダーの『ペトラ・フォン・カントの苦い涙』のリメイク。主人公ピーターは著名な映画監督だ。そんなピーターはたまたま出会った青年アミールに夢中になってしまい……。
日本映画

『怪物』 ラストシーンの二種類の解釈

シングルマザーの早織は、大切な息子・港の異変に気づく。早織がそれを問い詰めると、港はクラスの担任からの暴力について語ることになる。息子を守るために学校へ乗り込む早織だが、学校側の対応は酷いもので……。