2019-11

外国映画

『アイリッシュマン』 登場しない聞き手

マーティン・スコセッシが監督で、デ・ニーロとジョー・ペシが登場するマフィアものとしては『グッドフェローズ』『カジノ』以来。しかも本作はアル・パチーノが共演するとあって、期待せずにはいられない作品となっている。 主人公のフランク・シーランは、当時大統領の次の権力者と言われたジミー・ホッファを殺したと告白した人物。
日本映画

『新聞記者』 真実はブラックボックスのなかに?

現在公開中の『i-新聞記者ドキュメント-』と同じく、望月衣塑子氏の著書を原案にしたサスペンス。『新聞記者』は今年の6月末に劇場公開され、11月22日にBlu-ray&DVDがリリースされた。 本作はあくまでフィクションだが、モデルとして現実の加計学園問題が意識されており、現実の安倍政権に対する批判が盛り込まれている。
日本映画

『殺さない彼と死なない彼女』 地獄の沙汰もアレ次第

「殺すぞ」が口癖の小坂れい(間宮祥太朗)は、留年して退屈な高校生活を送っている。ある日、死んだハチをゴミ箱から救い出して埋葬しようとする鹿野なな(桜井日奈子)に興味を抱く。鹿野は「死にたい」が口癖で、いつもリストカットを繰り返している女の子だった。
外国映画

『アースクエイク バード』 リリーはルーシーが生んだ妄想?

アリシア・ヴィキャンデル主演の日本を舞台にしたミステリー。共演にはEXILEの小林直己。 東京湾でリリーという外国人の遺体が発見され、彼女の友人だったルーシーが疑われる。リリーとルーシーはカメラマンの禎司を巡って三角関係だったのだ。 このレビューでは「リリーはルーシーが生んだ妄想?」という奇説を展開してみた。
外国映画

『LORO 欲望のイタリア』 すべては十分ではない

イタリアの元首相シルヴィオ・ベルルスコーニを描いた、パオロ・ソレンティーノ監督の最新作。世界有数の富豪であり、女性とのスキャンダルと失言ばかり繰り返しているイタリア一の権力者。本作はそんな大物政治家を狂言回しにして、別のことを描こうとしているのだが……。
日本映画

『i-新聞記者ドキュメント-』 考えるな。イワシになれ!

『A』などの森達也が取材対象として選んだのは望月衣塑子氏。望月氏は今年公開された映画『新聞記者』の原案者としても知られる人で、菅官房長官との記者会見でのやりとりが話題になったお騒がせな人物。本作は森達也が望月氏の活動に密着し、彼女が何と闘っているのかを明らかにしていくドキュメンタリーである。
日本映画

『ひとよ』 希望の言葉が呪縛に

ある雨の夜、稲村こはる(田中裕子)は子供たちにも暴力を振るう夫のことを轢き殺す。それはこはるが考え抜いた末の結論だった。しかし残された子供たちは「殺人者の子供」と蔑まれることになる。 15年後に稲村家に戻ってきたこはるだが、子供たちは複雑な気持ちでその母親と向き合うことに……。
外国映画

『ターミネーター:ニュー・フェイト』 聖母から救世主へ

『ターミネーター』シリーズの最新作(第6作)。 監督は『デッドプール』などのティム・ミラー。 本作はシリーズの生みの親ジェームズ・キャメロンが製作に復帰し、サラ・コナー役には『ターミネーター2』以来のリンダ・ハミルトンが復帰しているのも見ど...
日本映画

『最初の晩餐』 シュンはある朝突然に

亡くなった父親の通夜の席で、トラブルが生じる。「通夜ぶるまい」のために頼んでおいた仕出し弁当がいつの間にかにキャンセルされていたのだ。母親は父からの遺言で「通夜ぶるまい」は自分が作ると言い出すのだが……。 料理によって家族の過去を振り返り、「家族とは何か」ということを問いかける。
外国映画

『CLIMAX クライマックス』 物語がなくてダンスがある

人里離れた廃墟に集められた22人のダンサー。リハーサルが終わったあとで、料理や飲み物が振舞われるのだが、そのサングリアにはLSDが混入していたらしく、それを飲んだダンサーたちは次第に狂気に陥っていく。 ギャスパー・ノエの最新作は、ダンスと音楽とでドラッグによるトランス状態を体験させる作品だ。