2019-08

外国映画

『やっぱり契約破棄していいですか!?』 ブラックな味わい!?

小説家を目指しているもののまったく芽が出ないウィリアム(アナイリン・バーナード)は、何度も自殺に失敗し最後の手段として自ら暗殺者を雇うことに。ところが暗殺の契約が成立した後になって出版社から連絡があり、「本を出版したい」旨の話が持ち上がる。
外国映画

『永遠に僕のもの』 天使は孤独に踊るもの?

冒頭、カルリートス(ロレンソ・フェロ)はたまたま見かけた家に何気なく入り込んで金目のものを物色する。まるで自分の家のようにくつろぎながら。そして音楽をかけながら踊り出すと、そこにタイトルの「EL ANGEL」が。つまりは彼は「天使」ということなのだが……。
外国映画

『ドッグマン』 リアル・ジャイアンをどう扱うか?

『ゴモラ』『リアリティー』などのマッテオ・ガローネ監督の最新作。のび太とジャイアンのような関係のマルチェロとシモーネ。暴力的で人のことを思い遣るなど考えたこともないリアル・ジャイアンに絡まれたとき、のび太のような人間はどう対処するのか? イタリアの寂れた海辺の町を舞台に描かれる現実の事件をモデルとした作品。
日本映画

『十二人の死にたい子どもたち』と「この世の終わり」についてのあれこれ

『十二人の死にたい子どもたち』は集団自殺を決意して集まった子供たちの物語。それから最近よく観る「この世の終わり」を描いた映画。どちらもギリギリまで死の境界に近づこうとする点では共通しているように感じられるのだが、これは一体?
外国映画

『HOT SUMMER NIGHTS/ホット・サマー・ナイツ』 新たなスターを発掘した作品

『君の名前で僕を呼んで』のティモシー・シャラメが主演を務めた2017年の作品。ドライブインシアターでは『T2』が上映されている、90年代のひと夏の物語。劇中の音楽にも懐かしい曲が揃っていて、二度と訪れないような輝くばかりの時間が過ぎていくのだが……。
外国映画

『ピータールー マンチェスターの悲劇』 主役不在の歴史劇?

『秘密と嘘』『家族の庭』などのマイク・リー監督の最新作。約200年前にイギリスで起きた「ピータールーの虐殺」として知られる民衆弾圧事件を描いた作品。「ピータールーの虐殺」における中心人物はヘンリー・ハントだが、本作では主役というほどの目立つわけでもない。それでは誰が主役なのかと言えば、民衆一人ひとりとも言えるのだ。
外国映画

『世界の涯ての鼓動』 生と死の距離を越えて

ダニー(アリシア・ヴィキャンデル)とジェームズ(ジェームズ・マカヴォイ)は、ノルマンディーの海辺のホテルで出会い、すぐに愛し合う。しかし、ダニーは生命誕生の秘密を探るために深海に赴き、ジェームズは諜報員としてソマリアへと向かう。それぞれが生と死の境界にありながら、ふたりは互いのことを想うのだが……。
外国映画

『あなたの名前を呼べたなら』 未亡人となったら終わり

根強く身分による差別が残るインドでのご主人様とメイドとの恋。ご主人様のアシュヴィンは夏目漱石が描いた高等遊民のようで、高層マンションにラトナというメイドと暮らしている。未亡人とはいえまだ若いラトナと一緒に暮らす姿は奇妙なものに思えるのだが、そもそも身分違いのふたりが過ちを犯すことなど周囲も考えたことすらないのだ。
日本映画

『よこがお』 曖昧な場所

『淵に立つ』などの深田晃司監督が筒井真理子を主役に迎えた最新作。リサと市子というふたりの女性。本作ではふたりのエピソードが同時進行していく。ふたりは一体どういう関係なのか?