外国映画

『ブルータル・ジャスティス』 得体の知れない感じ

強引な逮捕を市民に撮影され停職になった刑事ブレットは、真面目に働いても報われない不遇を嘆き、勝負に出る。犯罪情報を探り、その金を横取りしようと画策するのだが……。 主役のメル・ギブソンをはじめ、相棒のヴィンス・ヴォーンなど、渋い男たちが勢揃いしている。
日本映画

『青くて痛くて脆い』 変わらなきゃという強制

『君の膵臓をたべたい』の住野よるによる同名小説の映画化。 「世界を変える」という理想のために活動しつつも亡くなってしまった秋好。彼女と一緒にモアイというサークルを創始した楓は、今では就活サークルに成り下がったモアイを潰すために友人と計画を練るのだが……。
外国映画

『みかんの丘』 民族って何のこと?

アブハジア紛争下で起きた戦闘で、主人公イヴォの家には敵同士の二人がケガを負ったまま運び込まれる。ひとつ屋根の下で殺し合っていた二人が暮らすことになり……。 二人は自分たちの民族のために闘っていると信じているわけだが、イヴォはそんな二人に疑問を投げかける。
日本映画

『糸』 平成と中島みゆきを組み合わせて……

菅田将暉と小松菜奈の競演作としては三作品目。『ディストラクション・ベイビーズ』でふたりが演じたのは殺し合うことになる役柄で、次の『溺れるナイフ』もごく普通の恋愛ものとは言いかねる内容だった。そんな意味では等身大のふたりが演じる初めての恋愛ものなのかも。
外国映画

『ポルトガル、夏の終わり』 末期の目に映る夕陽

主演のイザベル・ユペールが、『人生は小説よりも奇なり』という作品を気に入り、監督であるアイラ・サックスにオファーして作り上げたという作品。 自らの死期を悟った女優フランキーは家族や友人をポルトガルのシントラに呼び寄せることに。フランキーは自分の死後の段取りを整えようとしていたのだ。
外国映画

『とうもろこしの島』 少女の異物感?

日本では2016年に公開されたジョージア(グルジア)映画。 極端に台詞を排し、映像だけで見せる作品という意味でも、美少女が登場するという意味でも『草原の実験』あたりを思わせる。 紛争地帯の狭間にある川を舞台に、その中州にとうもろこし畑を作る様子を追っていくのだが、川沿いの風景も美しく、見ていて心地よい時間が流れていく。
外国映画

『ディック・ロングはなぜ死んだのか?』 曰く言い難し

監督は『スイス・アーミー・マン』のダニエル・シャイナート。 原題は「The Death of Dick Long」。 物語 バンド仲間が集まって羽目を外し過ぎた夜、ある事故が起きディック(ダニエル・シャイナート)はケガをして瀕死の状態に。ジ...
日本映画

不要不急なことなれど……

コロナ禍では不要不急のものは後回しにされることになるわけで、映画などはその最たるものかもしれない。とはいえ、映画業界も長らく休業を余儀なくされ窮状にあることは間違いない。そんな中、大林宣彦監督の遺作となった『海辺の映画館―キネマの玉手箱』、岩井俊二監督の最新作『8日で死んだ怪獣の12日の物語 劇場版』が公開となった。
外国映画

『グレース・オブ・ゴッド 告発の時』 生きる場所の違い?

「カトリック教会の性的虐待事件」は2001年に新聞報道され公のものとなったのだが、それですべてが解決したわけではなかったらしい。現在も裁判が進行中の事件を題材にしたフランス版の『スポットライト』とされるこの映画は、より一層性的虐待の被害者側にスポットライトを当てていくことになる。
外国映画

『はちどり』 14歳という曖昧な存在

舞台は家父長制が色濃く残る1994年の韓国。主人公はウニという14歳の中学生。14歳は子供とも大人とも言えない微妙な時期で、ウニは塾でヨンジ先生に出会って心酔していく。先生は「知っている人の中で、本心まで知っているのは何人?」と問い掛ける。その言葉に導かれ、ウニは身近な人のこれまでとは違う姿を目撃することに……。
外国映画

『透明人間』 遍在する恐怖

透明人間という何度も映画化されてきた題材を生まれ変わらせた作品。 本作の主人公は透明人間ではない。透明人間という見えない存在に怯える女性が主人公だ。セシリアは常に周囲を気にしていて、その姿は精神を病んでいるように見える。だから周囲の者も、セシリアが「見えない男がそこにいる」と怯えるのも、彼女の妄想だと思うのだが……。
日本映画

『MOTHER マザー』 わからないものはわからないままに

長澤まさみが普段のキャラとは正反対の毒母を演じた作品。 本作は実際に起きた事件をモデルにしているというのだが、主人公となる秋子のグズっぷりはまったく理解し難い。そんな母親に育てられた息子の周平は、学校にも行けずに劣悪な生活状態に置かれ、次第に秋子の言われるがままに犯罪にも手を染めるようになっていくのだが……。