若葉竜也

日本映画

『ペナルティループ』 質問禁止、他言無用

岩森淳が朝6時に目覚めると、最愛の恋人・砂原唯を殺めた溝口登を殺害し、疲労困憊で眠りにつく。翌朝目覚めると周囲の様子は昨日のままで、溝口もなぜか生きている。そしてまた今日も、岩森は復讐を繰り返していく——。
日本映画

『市子』 描きたいのは不幸じゃない?

市子は3年間一緒に暮らしてきた恋人の長谷川からプロポーズを受けた翌日に、突然失踪。途⽅に暮れる⻑⾕川の元に刑事が現れる。刑事は市子の写真を差し出し、「この女性は誰なのでしょうか。」と尋ねるのだが……。
日本映画

『愛にイナズマ』 あり得ない人物とは?

花子は映画監督デビューを目前に控えていたのだが、卑劣なプロデューサーにだまされ、全てを失ってしまう。失意の底に突き落とされた花子だが、音信不通だった家族たちの力を借りて、大切な夢を取り戻すべく反撃を開始する。
日本映画

『窓辺にて』 パフェとパチンコの効能

市川茂巳は編集者である妻・紗衣がある作家と浮気しているのを知っている。しかし、それを妻には言えずにいた。同じ頃、茂巳はある文学賞の授賞式で高校生作家・久保留亜と知り合う。留亜は茂巳が自分の小説の良き理解者と知り、彼に興味を抱いたのだ。
日本映画

『神は見返りを求める』 ダメな部分が愛おしい

“神”のように人のいい田母神は、底辺YouTuberゆりちゃんの動画制作を献身的に支えている。ふたりは良きパートナーとなるのだが、あることがふたりの関係を一変させる。ゆりちゃんは恩を仇で返すようになり、田母神は見返りを求めるようになり……。
日本映画

『くれなずめ』 成長なんかしたくない?

友人の結婚式のために久しぶりに勢揃いした6人。かつてと同じようにくだらない戯れに興じる6人だったが、実はその中の一人は死んでいる。それでもほかの5人はその友人の死が受け入れられず、今でもその友人が実在しているように感じているのだが……。『私たちのハァハァ』などの松居大悟が自身の舞台劇を映画化した作品。
日本映画

『街の上で』 記録と記憶

新型コロナの影響で公開が延期されていた今泉力哉監督作品。街そのものが主役とでもいうかのように実在する下北沢の店がいくつも登場し、変化の只中にあった街の姿をフィルムに留めようとする。ゆるやかな時間が流れ、いつまでもそこに浸っていたくなる。
日本映画

『生きちゃった』という素朴な感想

『町田くんの世界』などの石井裕也監督の最新作。英語タイトルは「All the Things We Never Said」であり、本作は日本人には多いかもしれない「言いたいことを言えない」ことを巡る話。というより、そのことしか言っていない。