東出昌大

日本映画

『青春ジャック 止められるか、俺たちを2』 懲りずにやり続けること

前作『止められるか、俺たちを』は、70年代の若松プロの面々を描いた話で、本作はその続編として80年代を描くことになる。若松孝二は名古屋に映画館シネマスコーレを作ることになり、本作はそこに集まってくる映画好きたちの話なのだ。
日本映画

『コーポ・ア・コーポ』 ぼちぼちのニュアンス

大阪の下町にある安アパート「コーポ」には、家族のしがらみから逃げてきたフリーターの辰巳ユリ、複雑な過去を背負い女性に貢がせて生計を立てている中条紘など、さまざまな事情を抱える人たちが暮らしている。そんな人たちのオムニバス作品。
日本映画

『Winny』 社会によって異なる評価

2002年、金子勇は簡単にファイルを共有できる革新的なソフト「Winny」を開発する。しかしそれは映画やゲーム、音楽などの違法アップロードを可能にするものであり、次第に社会問題へ発展していく。監督・脚本は『ぜんぶ、ボクのせい』などの松本優作。
日本映画

『草の響き』 不思議な解放感

佐藤泰志の小説の五度目の映画化。東出昌大にとっては『寝ても覚めても』以来3年ぶりの主演作。 和雄は故郷の函館に妻の純子と共に戻るのだが、医師に自律神経失調症であると診断される。和雄は仕事を辞め、運動療法として毎日ランニングをすることになるのだが……。
日本映画

『BLUE/ブルー』 やめられない“何か”

約30年もボクシングを続けてきたという𠮷田恵輔監督のリアルなボクシング映画。 誰よりもボクシングを愛する瓜田だが、試合では負けばかり。本作はサクセスストーリーとは真逆で、努力は結果を伴わないし、才能も運命に負けることになる。そんな残酷な現実が描かれるのだ。
日本映画

『スパイの妻<劇場版>』 理解できるか、俺たちを

ヴェネチア国際映画祭で銀熊賞を獲得した黒沢清監督の最新作。 普遍的な正義のために売国奴となることも厭わない夫のため、聡子はスパイの妻と呼ばれる覚悟を決める。聡子にとっては正義/不正義といったことよりも、夫と一緒に行動することが重要だったからだ。