尾野真千子

日本映画

『こちらあみ子』 良くも悪くも……

芥川賞作家・今村夏子の小説の映画化。ちょっと風変わりな女の子・あみ子。彼女は人の気持ちを推し量るのが苦手だ。それによって人とズレてしまうことになる。それでも家族の助けもあり、あみ子は毎日を元気に過ごしている。
日本映画

『千夜、一夜』 夢に生きるか、現実回帰か

30年もの間、失踪した夫を待ち続けている登美子。そんな登美子のところへ2年前に夫が失踪したという奈美が訪ねてくる。奈美は同じような境遇の登美子から話を聞きたかったのだ。しかし二人はその後に対照的な決断をすることになる。
日本映画

『茜色に焼かれる』 舐められているという感覚

本作の発端となっている事故は「東池袋自動車暴走死傷事故」を思わせる。主人公良子は上級国民に蔑ろにされる庶民だ。良子は事故で旦那を殺されたにも関わらず、加害者である上級国民は最後まで謝罪することがない。良子が許せないのは加害者の不愉快極まりない態度なのだ。
日本映画

『ヤクザと家族 The Family』 ヤクザに選択肢などないらしい

ヤクザ者として生きていくしかなかった山本賢治という男の姿を20年に渡って描く。ヤクザが肩で風を切って闊歩していた時代と違い、今ではヤクザは社会から排除され人として生きる権利すらない。そんな今の時代にヤクザ映画を作るとはどういうことか?