井浦新

日本映画

『青春ジャック 止められるか、俺たちを2』 懲りずにやり続けること

前作『止められるか、俺たちを』は、70年代の若松プロの面々を描いた話で、本作はその続編として80年代を描くことになる。若松孝二は名古屋に映画館シネマスコーレを作ることになり、本作はそこに集まってくる映画好きたちの話なのだ。
日本映画

『アンダーカレント』 自分の行動に驚かされる

銭湯の女主人・かなえは、夫・悟が突然失踪し途方に暮れる。なんとか銭湯を再開すると、堀と名乗る謎の男が「働きたい」とやってきて、二人の不思議な共同生活が始まる。一方、友人から紹介された探偵・山崎は悟の行方を探すことになり……。
日本映画

『福田村事件』 群れる動物の習性

1923年の9月1日、関東地方を大地震が襲う。多くの人びとが大混乱となり、流言飛語が飛び交う9月6日、香川から関東へやってきた行商団15名は、ちょっとした行き違いにより、興奮した村民たちに取り押さえられることになってしまうのだが……。
日本映画

『こちらあみ子』 良くも悪くも……

芥川賞作家・今村夏子の小説の映画化。ちょっと風変わりな女の子・あみ子。彼女は人の気持ちを推し量るのが苦手だ。それによって人とズレてしまうことになる。それでも家族の助けもあり、あみ子は毎日を元気に過ごしている。
日本映画

『恋する寄生虫』 コロナの時代の恋

潔癖症で人と触れ合うことができない高坂(林遣都)と、視線恐怖症でヘッドフォンによって外界を遮断しなければ生きてけない佐薙(小松菜奈)。ふたりは出会い恋に落ちることになるが、それはふたりの中にいる寄生虫が原因だった? 若者に人気の三秋縋の同名小説の映画化。
日本映画

『朝が来る』 二つの立場

養子縁組には二つの立場がある。「子どもを手放さなければならない親」と「子どもが産めない親」だ。普通両者はあまり関わる機会がないために、互いのことを本当に理解することもない。本作がラストで示す展開は製作陣の希望が込められているのだろう。