オダギリジョー

日本映画

『月』 何を言っても言い足りない?

重度障害者施設で働くことになった洋子は“書けなくなった”作家だ。洋子は他の職員による入所者への心ない扱いや暴力を目の当たりにするが、それを訴えても聞き入れてはもらえない。そして、そのことに誰よりも憤っているのは、さとくんだった。
日本映画

『658km、陽子の旅』 精一杯の表現

人生を諦めて過ごしてきた就職氷河期世代の陽子(菊地凛子)は、かつて夢への挑戦を反対され20年以上断絶していた父が突然亡くなった知らせを受ける。トラブルもあって独りでヒッチハイクをするハメになった陽子は、無事に青森までたどり着けるのか?
日本映画

『アジアの天使』 中年天使は人を噛む

青木剛(池松壮亮)は日本の家を引き払い、息子の学と一緒に韓国へと渡る。兄の透(オダギリジョー)が仕事を紹介してくれることになっていたからだが、事業は早々に失敗し前途多難に……。 『茜色に焼かれる』などの石井裕也がオール韓国ロケで製作したロードムービー。
外国映画

『人間の時間』 人類の行く末は?

スキャンダルで公開が延期となっていたキム・ギドク作品。 なぜか急に空へと浮かんだ船に閉じ込められた乗客たち。残された食料は限られ、船上は弱肉強食の世界と化していく。 ギドクが独自に解釈した聖書の物語とも言える作品で、「なんてことを考えるんだ」と絶句するしかない突飛な展開で、ファンとしては久しぶりのギドクを堪能した。
日本映画

『ある船頭の話』 異物としての人間

オダギリジョーの初の長編監督作品。 船頭のトイチ(柄本明)は川辺の小屋に寝泊まりしながら、その川で渡しをしている。ある日の夕暮れ時、船を漕いでいたトイチは、川を流れてきた何かにぶつかりバランスを崩す。流れてきたのは瀕死の少女だった。