仲野太賀

日本映画

『アット・ザ・ベンチ』 なぜそこに?

川沿いの芝生にぽつんとたたずむ小さなベンチ。ある日の夕方、そのベンチには久々に再会した幼なじみの男女が座り、もどかしくも愛おしくて優しい言葉を交わす。その後もこの場所には、さまざまな人たちがやって来る。
日本映画

『十一人の賊軍』 ああ無念

時は戊辰戦争の時代。新発田藩の家老は旧幕府軍に連なる奥羽越列藩同盟と、新政府軍との間で板挟みになっていた。領地と領民を守るために家老は決死隊を組織する。彼らは死刑の罪を背負った罪人たちだった。
外国映画

『ONODA 一万夜を越えて』 誇りと後ろめたさ

1974年に最後の残留日本兵として日本へ戻ってきた小野田寛郎さん描いた作品。フィリピンルバング島へ配属されてから、約30年をそのジャングルで過ごす姿が描かれる。小野田少尉はなぜ戦争が終わってもジャングルに留まり戦いを続けていたのか。
日本映画

『すばらしき世界』 思いをつなぐリレー

人生のほとんどを刑務所で過ごした三上は、13年ぶりにカタギの世界で生きていくことを決意する。原作は実在の人物をモデルにした小説で、本作はそれをもとに西川美和監督が脚本を書いたフィクションだ。元ヤクザがカタギの世界で生きていくのは可能なのだろうか?
日本映画

『生きちゃった』という素朴な感想

『町田くんの世界』などの石井裕也監督の最新作。英語タイトルは「All the Things We Never Said」であり、本作は日本人には多いかもしれない「言いたいことを言えない」ことを巡る話。というより、そのことしか言っていない。
日本映画

『タロウのバカ』 飛ぶと落ちるとき……死ぬ

タロウという名前は、エージとスギオがつけてくれたもの。「名前のない奴はみんなタロウだ」という理由でタロウとなった少年は、学校にも行かずいつも荒川沿いの空き地でブラブラしている。ある日、拳銃を手にすることになったアウトサイダー三人はさらに羽目を外し……。