監督は『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』シリーズのジェームズ・ガン。
主演は『ツイスターズ』のデイビッド・コレンスウェット。
物語
大手メディア「デイリー・プラネット」で平凡に働くクラーク・ケント、彼の本当の正体は人々を守るヒーロー「スーパーマン」。子どもも大人も、愛する地球で生きるすべての人を守り救うため、日々戦うスーパーマンは、誰からも愛される存在。そんな中、彼を地球の脅威とみなし暗躍する、最高の頭脳を持つ宿敵=天才科学者にして大富豪、レックスルーサーの世界を巻き込む綿密な計画が動き出す—
(公式サイトより抜粋)
どんな新機軸が?
「アメコミ史上最も歴史のあるヒーロー」とされるスーパーマンというキャラは、誰でもが知っている存在だ。初めてそのキャラを見たのが何だったのかはもはやわからないけれど、そのくらい幼い頃からそのキャラのことは知っていた気がする。
実写映画化ではリチャード・ドナー版の『スーパーマン』の印象がやはり一番残っているけれど、ザック・スナイダーの『マン・オブ・スティール』だってある。本当はもっと色々とあるみたいだけれど、とにかくそんな中で新しいスーパーマンの映画化をするとなれば、これまでとは違ったものにしなければならないはずで、ジェームズ・ガンがどんな新機軸を見せてくれるのかが気になるところだろう。
物語は闘いの真っ只中から始まる。冒頭、字幕でこの作品世界の説明がなされる。この世界は3世紀前から「Gods and Monsters」の時代になったのだとか。30年前にカル=エルが地球にやってきて、3年前から彼はスーパーマンとして活躍し始めたらしい。そして、3分前にスーパーマンは初めて闘いで破れることになる。
『スーパーマン』において初めて登場するスーパーマン(デイビッド・コレンスウェット)は、南極の雪の上に落下して息も絶え絶えになったスーパーマンだ。本作のスーパーマンは何度もこっぴどくやられることになるのだ。
それでも空を飛び、目からビームを発する能力があるわけで、弱いというと語弊があるけれど、とても人間らしいスーパーマンなのだ。そこがほかのスーパーマンたちとは異なるところなのだろう。

©& TM DC © 2025 WBEI
仲間を必要とするヒーロー
『ジャスティス・リーグ』あたりだとスーパーマンの強さがずば抜けていて、結局はスーパーマンがいれば問題が解決するといったオールマイティなキャラになっていた。要はチート過ぎるのだ。これはキャラクターとしては非常に扱いにくい。そういうことから、弱いというか、あまり強いばかりではないスーパーマンが登場したということだろうか。
それからほかのスーパーマン映画では、彼に仲間らしきものはいなかったはずだ。ところが本作では犬のクリプトをはじめとして、彼を助けてくれる仲間がいる。クリプトは本作の愛すべきキャラで、スーパーマンと同じ赤いマントを背負って空も飛べるのだ。あまり躾が出来てないのが難点で、スーパーマンも扱いに困っているのだけれど……。
本作のスーパーマンは最初はやられっぱなしだし、仲間であるジャスティス・ギャング(ネーミングセンスが変!)たちが出てくると、仲間の暴れっぷりで巻き添えを食う市民を助ける役割ばかりしている。リスまで救うほど、ひとりひとりを守ることを大事にしているのだ。
というよりは本作のスーパーマンはオールマイティなキャラではなく、ひとりでできることは限られていて、仲間を必要としているということが強調されているのだろう。これは『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』や『ザ・スーサイド・スクワッド “極”悪党、集結』など、チームプレーが得意のジェームズ・ガンだからなのだろう。
仲間であるグリーン・ランタン(ネイサン・フィリオン)の能力なんかは面白いけれど、全然ヒーロー然としていないあたりがジェームズ・ガンだからということなんだろう。

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人間宣言したヒーロー
物語としては色々なことが盛り込まれている。現実の国際的な政治問題に対する仄めかし、宿敵であるレックス・ルーサー(ニコラス・ホルト)の妬み、スーパーマンの生みの親の本当の目的とそれに対するスーパーマン自身の選択、さらには自分のクローンとの闘い、などなど。
けれども、どれもあっさりとは触れられているけれど、深く掘り下げられていないように感じた。総花的で大きな盛り上がりには欠ける気がしたのだ。
レックス・ルーサーに対してスーパーマンが訴えるのは、彼が人間だと言うことだ。このスピーチはなかなか感動的ではあったし、人間らしいスーパーマンなのはいいけれど、スーパーマンの力が圧倒的でなくなった分、ごく普通のハリウッドの大作映画に堕してしまったような感じもした。
スーパーマンの力が強すぎると扱いにくいし、逆に弱いとカタルシスに欠けるような気もして物足りない。アメコミやその映画化に詳しくない観客としては、そんな勝手な印象を覚えた。
尤も、本作は新しいスーパーマンのビギニングとして設定状況を整え、次からが本番ということなのかもしれない。本作はDCエクステンデッド・ユニバースからDCユニバースへと変わった第1作として、可もなく不可もなくということだろうか? 人間的なスーパーマンが今後どんな物語を見せてくれるのか。とりあえずは次回作に期待したいところだ。






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