日本映画

『リバー、流れないでよ』 うたかたの日々

仲居のミコトは、川のほとりに佇んでいたところを女将に呼ばれ仕事へと戻る。だが2分後、なぜか再び先ほどと同じく川を前にしている。この事象はほかの人たちにも起こっていることが判明する。ミコトたちはループしているのだ。しかもちょうど2分間!
外国映画

『青いカフタンの仕立て屋』 自分らしい生あるいは死

伝統のカフタンを制作する職人のハリム。昔ながらの手仕事にこだわる夫を支えるのは、接客担当の妻ミナだ。積み上がる注文をさばくために、2人はユーセフと名乗る若い男を助手に雇うのだが……。
外国映画

『ザ・フラッシュ』 文句のない娯楽作?

地上最速のヒーロー、フラッシュことバリー・アレンは、そのスピードで時間をも超越し、幼いころに亡くした母と無実の罪を着せられた父を救おうと、過去にさかのぼって歴史を改変してしまう。
日本映画

『夜明けまでバス停で』 世代を超えたメッセージ

渋谷区幡ヶ谷のバス停で夜中に仮眠していた60代のホームレスの女性が、40代の男に撲殺された「渋谷ホームレス殺人事件」。本作はその事件を参考にして作られたフィクションだ。
外国映画

『苦い涙』 ペトラからピーターへ

1972年のライナー・ヴェルナー・ファスビンダーの『ペトラ・フォン・カントの苦い涙』のリメイク。主人公ピーターは著名な映画監督だ。そんなピーターはたまたま出会った青年アミールに夢中になってしまい……。
日本映画

『怪物』 ラストシーンの二種類の解釈

シングルマザーの早織は、大切な息子・港の異変に気づく。早織がそれを問い詰めると、港はクラスの担任からの暴力について語ることになる。息子を守るために学校へ乗り込む早織だが、学校側の対応は酷いもので……。
外国映画

『aftersun/アフターサン』 結末を知らない観客

20年前のトルコでのバカンス。そんなビデオの映像を振り返るソフィ。そこには20年前の父親の姿もあった。それによって思春期真っただ中のソフィには見えなかった父親の姿を見出だしていくことに……。
外国映画

『ソフト/クワイエット』 単に声がデカいだけ

ある会合に集まった6人の女性たち。彼女たちは多文化主義や多様性が重んじられる現代の風潮に反感を抱き、有色人種や移民を毛嫌いしている。内輪だけで盛り上がる差別主義者は、その後、アジア系の女性たちとトラブルになり……。
外国映画

『天使が隣で眠る夜』 放っておけないという気持ち

中年セールスマンのシモンはミッキーという刑事と出会い、彼の手伝いをすることに。ところがミッキーは事件に巻き込まれて植物状態になってしまう。一方、初老の賭博師マルクスは、たまたま出会ったジョニーという青年になぜかなつかれてしまい……。
外国映画

『少年と犬』 愛という幻想

あの『マッドマックス2』にも影響を与えたとされる幻の日本未公開作品。西暦2024年、世界は第4次世界大戦によって荒廃している。主人公のヴィックはそんな弱肉強食の世界を、相棒の喋る犬ブラッドと生き抜いていくのだが……。
外国映画

『TAR/ター』 何がリディアに残ったか?

アカデミー賞やグラミー賞なども獲得し、世界的な指揮者として誰もが認めるリディア・ター(ケイト・ブランシェット)。クラシック界の頂点にいる彼女だが、かつて彼女が指導した若手指揮者の訃報が入り、ある疑惑をかけられたターは追い詰められていく。
外国映画

『ジュリア(s)』 別の宇宙を生み出す感情

タイトルはジュリアの複数形だ。「ベルリンの壁崩壊に立ち合っていたとしたら?」「本屋で彼に出会ってなかったら?」「コンクールの結果が違ったら?」そんなあり得たかもしれない別のジュリアの姿が描かれるのだ。