日本映画

『i-新聞記者ドキュメント-』 考えるな。イワシになれ!

『A』などの森達也が取材対象として選んだのは望月衣塑子氏。望月氏は今年公開された映画『新聞記者』の原案者としても知られる人で、菅官房長官との記者会見でのやりとりが話題になったお騒がせな人物。本作は森達也が望月氏の活動に密着し、彼女が何と闘っているのかを明らかにしていくドキュメンタリーである。
日本映画

『ひとよ』 希望の言葉が呪縛に

ある雨の夜、稲村こはる(田中裕子)は子供たちにも暴力を振るう夫のことを轢き殺す。それはこはるが考え抜いた末の結論だった。しかし残された子供たちは「殺人者の子供」と蔑まれることになる。 15年後に稲村家に戻ってきたこはるだが、子供たちは複雑な気持ちでその母親と向き合うことに……。
外国映画

『ターミネーター:ニュー・フェイト』 聖母から救世主へ

『ターミネーター』シリーズの最新作(第6作)。 監督は『デッドプール』などのティム・ミラー。 本作はシリーズの生みの親ジェームズ・キャメロンが製作に復帰し、サラ・コナー役には『ターミネーター2』以来のリンダ・ハミルトンが復帰しているのも...
日本映画

『最初の晩餐』 シュンはある朝突然に

亡くなった父親の通夜の席で、トラブルが生じる。「通夜ぶるまい」のために頼んでおいた仕出し弁当がいつの間にかにキャンセルされていたのだ。母親は父からの遺言で「通夜ぶるまい」は自分が作ると言い出すのだが……。 料理によって家族の過去を振り返り、「家族とは何か」ということを問いかける。
外国映画

『CLIMAX クライマックス』 物語がなくてダンスがある

人里離れた廃墟に集められた22人のダンサー。リハーサルが終わったあとで、料理や飲み物が振舞われるのだが、そのサングリアにはLSDが混入していたらしく、それを飲んだダンサーたちは次第に狂気に陥っていく。 ギャスパー・ノエの最新作は、ダンスと音楽とでドラッグによるトランス状態を体験させる作品だ。
外国映画

『キング』 偉大な王か、残酷な侵略者か

11月1日から配信予定のNetflixのオリジナル作品。 シェークスピアの『ヘンリー四世』二部作と『ヘンリー五世』にインスパイアされた作品。実在のイングランド王・ヘンリー五世を独自解釈で描く作品となっている。 主役は『君の名前で僕を呼んで』などのティモシー・シャラメ。
外国映画

『ジェミニマン』 特筆すべきことが……

ヘンリー(ウィル・スミス)は史上最高のスナイパーとされた伝説の男。それでも寄る年波には勝てず引退を決意するのだが、どういうわけか雇い主である政府から狙われる立場になってしまう。 新手の暗殺者として現れた男は、実はヘンリーのクローンだった。ウィル・スミスが二役を演じるアクション作品。
日本映画

『ブルーアワーにぶっ飛ばす』 田舎者にはよくわかる

都内でCMのディレクターをしている砂田(夏帆)は、止まると死んでしまうんじゃないかというくらい勢いで仕事に励んでいたが、心は荒んでいる。そんな砂田は後輩の清浦(シム・ウンギョン)と共に田舎に帰ることに……。 若手映像作家の発掘を目的としたTSUTAYAの企画から生まれた作品。
日本映画

『楽園』 犠牲によって救われたのは?

閉鎖的で排他的な村社会を舞台に、虐げられた者たちが追い込まれていく様子を描く。そうした者のための楽園はあるのか? 吉田修一原作の短編をもとにした作品。監督・脚本は『64-ロクヨン-』『菊とギロチン』などの瀬々敬久。
外国映画

『ボーダー 二つの世界』 揺さぶられるのは観客か?

税関に勤務するティーナには特殊な能力があった。違法な物を持ち込もうとする不届き者を嗅ぎ分ける力があるのだ。しかし、彼女はその醜い容貌ゆえに浮いた存在でもあった。そんなティーナは出生の秘密を知ることになり……。 人間が勝手に設定しているボーダー。この作品は衝撃的な映像で、そんな感覚に揺さぶりをかけてくる。
日本映画

『真実』 後味スッキリの愛憎劇?

大女優ファビエンヌ(カトリーヌ・ドヌーヴ)は自伝を出版するのだが、それに書かれていたことは嘘ばかりだった。娘のリュミエール(ジュリエット・ビノシュ)はそれを非難するのだが……。 カトリーヌ・ドヌーヴが自分をモデルとしたようなキャラを演じる、是枝裕和監督がフランスを舞台にして撮り上げた最新作。
外国映画

『イエスタデイ』 消えてしまって一番寂しくなるのは?

イギリスの海辺の町でソングライターとして活動しているジャック(ヒメーシュ・パテル)。いつまでも鳴かず飛ばずという厳しい現実から、夢をあきらめかけていたある夜、世界中が12秒間停電するというアクシデントが発生。気が付くとジャック以外の誰もビートルズのことを知らない世界になっていた。