日本映画

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『PLAN 75』 “見たくないもの”を見せる

75歳になると国が安楽死を推奨する「PLAN 75」という政策が実現された世界。主人公のミチは高齢のため仕事を失い、追い詰められて「PLAN 75」を選択することになるのだが……。 架空の設定でも、絵空事とは思えない問題を孕んでいる。
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『わたし達はおとな』 映画だから出来ること

優実(木竜麻生)はある日吐き気を覚え、妊娠していることを知る。しかし、その子供の父親は、半同棲状態の恋人・直哉(藤原季節)ではない可能性があった。優実はそのことを直哉に恐る恐る告白することになるのだが……。
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『夜を走る』 あるいは狂って極楽へ

郊外の鉄くず工場で働くふたり。秋本は不器用でいつも上司に怒鳴られているが、谷口は世渡り上手だ。正反対にも見えるふたりだが、日々に退屈している点では共通している。そんなふたりはある夜、事件を起こすことになり、工場は一変することになるのだが……。
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『マイスモールランド』 自分は何人だと思いますか?

主人公のサーリャは、幼い頃に父親に連れられて日本にやってきた在日クルド人だ。今では日本語も流暢で、高校でも日本人に溶け込んでいる。ところが父親の難民申請は却下されると、彼女も住んでいる埼玉を出ることすらできなくなってしまう……。
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『シン・ウルトラマン』 「怪獣プロレス」だけじゃない

昭和41年からテレビで放送された『ウルトラマン』のリブート作品。『シン・ゴジラ』と同様に、庵野秀明(企画・脚本)と樋口真嗣(監督)のコラボレーションで、初めてウルトラマンが地球に現れた世界を描く。出演は斎藤工、長澤まさみ、西島秀俊など。
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『死刑にいたる病』 おぞましさ以外の何か

24人を殺したとされる稀代の殺人鬼・榛村。そんな殺人鬼から雅也のもとに手紙が届く。榛村は1件だけの冤罪を主張する。雅也は榛村のためにその事件を調べることになるのだが、一体なぜ雅也は榛村のためにそんなことをするのだろうか? 監督は『凶悪』の白石和彌。
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『猫は逃げた』 愛の源についての映画?

著名な映画監督二人(今泉力哉と城定秀夫)が、互いの脚本を映画化するという新しい企画による第2弾。漫画家・町田亜子と週刊誌記者の広重は離婚間近の夫婦だが、飼い猫カンタをどちらが引き取るかで揉めることに。ところがそのカンタが失踪してしまい……。
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『愛なのに』 肉は悲し

著名な映画監督二人(今泉力哉と城定秀夫)が、互いの脚本を映画化するという新しい企画による第1弾。 古本屋の店主の多田は、ある日、女子高生の岬からプロポーズされる。突然の告白に驚きつつも、多田はそれを丁重に断ることになるのだが……。
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『ちょっと思い出しただけ』 決定的な分岐点

2021年7月26日、34歳の誕生日を迎えた照生(池松壮亮)。彼は本作の主人公だが、本作にはもう一人の主人公がいる。それはタクシー運転手をしている葉(伊藤沙莉)だ。本作は「7月26日」という1日を1年ずつ遡るスタイルで展開していく。
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『麻希のいる世界』 真っ直ぐな感情を肯定する

命の危機にある由希は、生きる証を求めている。それは麻希という同級生の歌声によって決定される。ところが麻希は複雑な家庭環境もあって、与えられた才能に向き合おうとはしないのだが……。主人公は『さよなるくちびる』の脇役から抜擢された新谷ゆづみと日髙麻鈴。
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『さがす』 探しものは見つかるのか?

「お父ちゃんな、指名手配中の連続殺人犯見たんや」そんなことを言っていた父親(佐藤二朗)が失踪する。楓(伊東蒼)はそんな父をさがすことになるのだが、さがした先には連続殺人犯の男(清水尋也)がいる。一体父親はどこへ行ってしまったのか?
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『エッシャー通りの赤いポスト』 暴れたいという欲求

ハリウッド・デビュー作も公開されたばかりの園子温の最新作。新人俳優たちを起用した本作は、これから夢をつかもうというギラギラした欲望に満ちている。園子温はこの作品を撮ることで、初期作品にあった衝動を蘇らせようとしているのかもしれない。