外国映画

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『罪と女王』 男女の間の非対称性

新型コロナによる自粛も解除され、久しぶりに映画館で映画を観ることが可能に。本作はサンダンス映画祭で観客賞を受賞したデンマーク映画。アンネという男性に対して一歩も退くことのない女性が、自分の家に同居することになった夫の連れ子に手を出してしまう。大人の女性が未成年と関係を持つというのは明らかに犯罪なのだが……。
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『オフィーリア 奪われた王国』 女性を救え!

シェークスピアの傑作『ハムレット』を、オフィーリアの視点から描いた作品。Netflixオリジナル作品。『ハムレット』におけるオフィーリアは、愛を誓っていたはずのハムレットから突き放され、父親を殺され、狂気に陥り死んでいく。それはあまりにも酷いんじゃないかというのが、製作陣の気持ちなのかもしれない。
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『最初で最後のキス』 迷わず行けよ、行けば分かるさ?

田舎の高校へと転校したロレンツォは、派手な服装ゆえに初日から「オカマ野郎」と罵られる。それでも「Born This Way」の歌詞のように、自分を肯定するロレンツォは自分を偽ることをしない。妄想癖のあるロレンツォが将来のスターを夢見て、クラスメートの前で踊りまくるシーンが楽しい。しかし、そんな青春も長くは続かず……。
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『若者のすべて』 われわれが待望するもの

ドロンが演じるロッコはドストエフスキーが『白痴』で描いた「聖なる愚者」に連なるような存在だ。とにかく信じられないほどの善人であるロッコは、都会に来て堕落してしまった兄シモーネから散々酷い目に遭いつつも彼を見捨てないのだった。
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『コンテイジョン』 予見ではなくシミュレーション?

ついに緊急事態宣言が出されるまでになった新型コロナウイルスで、改めて注目されることになった2011年の作品。本作が話題となったのは、この映画が現在世界中で起きている出来事を予見していたように見えるからだろう。映画で描かれるのは架空のウイルスの話なのだが、新型コロナウイルスという災いを知るためにも極めて役に立つ。
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『STOP』 かき消される貴重な声

キム・ギドクが3.11を描いた作品。日本では2017年の5月に一部劇場で公開されたが、ソフト化もされていない。そんなレアな作品がU-NEXTで配信中。ギドクが日本にやってきてわずか7日間で撮影したというだけに、拙い部分は見受けられる。それでも本作には伝えるべきメッセージがあるというのがギドクの信念なのだろう。
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『人間の時間』 人類の行く末は?

スキャンダルで公開が延期となっていたキム・ギドク作品。なぜか急に空へと浮かんだ船に閉じ込められた乗客たち。残された食料は限られ、船上は弱肉強食の世界と化していく。ギドクが独自に解釈した聖書の物語とも言える作品で、「なんてことを考えるんだ」と絶句するしかない突飛な展開で、ファンとしては久しぶりのギドクを堪能した。
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『ジョン・F・ドノヴァンの死と生』 「世界」と「自分」

『わたしはロランス』『Mommy/マミー』などのグザヴィエ・ドラン監督の最新作。ジョン・F・ドノヴァンというスターが若くして死ぬ。彼と密かに手紙をやり取りしていたルパート少年は、その後その手紙をもとにした本を出版する。そこにはジョン・F・ドノヴァンがなぜ死ななければならなかったかについて書かれていた。
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『レ・ミゼラブル』 イッサに何が起こったか

マチュー・カソヴィッツの『憎しみ』のようなパリ郊外(バンリュー)を描いた作品。モンフェルメイユという街はユゴーの小説『レ・ミゼラブル』の舞台ともなった場所だが、今では移民などの低所得者層が多く住む地域。それぞれのグループが徒党を組みヤクザの抗争のような状態にある街が、ある少年のいたずらによって一触即発の事態へ……。
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『黒い司法 0%からの奇跡』 感動的で泣かせる話だが……

冤罪で死刑にされた黒人のために、アメリカの司法と闘ったブライアン・スティーヴンソンの実話をもとに作品。かつて『アラバマ物語』の舞台ともなったアラバマ州では、黒人は生まれながらにして罪人として扱われている。ブライアンはそんな場所で無実の黒人を助けることができるのか? 涙なしには見られない作品となっているのだが……。
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『ミッドサマー』 自分はそのままに世界を変える

家族を亡くして精神的に不安定なダニーは、恋人クリスチャンやその友人と共にスウェーデンを訪れる。ホルガと呼ばれる村で90年に一度行われる祝祭を体験するためだ。自分たちが依拠する文化とは全く異なる世界。そんな場所でメンヘラ女性であるダニーはいつの間にかに癒されることになるのだが、それはなぜか?
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『名もなき生涯』 やはり物語はあったほうがいい

実在した農夫フランツ・イェーガーシュテッターの人生を描いた伝記映画。詩的なイメージが展開していく独特なスタイルを持つテレンス・マリックだが、本作は「良心的兵役拒否を貫き死刑にされた」という物語がはっきりしているため、それなりに取っつきやすい作品になっている。アルプスの山々を臨む雲の上の世界はまるで天国のようでもあった。