外国映画

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『聖なる犯罪者』 矛盾なく成り立つ善と悪?

人を殺して少年院に入ったダニエルは、そこでイエス・キリストの教えに出合う。イエスに感化されたダニエルは、将来聖職者として生きたいと願うのだが、それは前科者には閉ざされた道だった。しかし仮釈放になったダニエルは様々な偶然が重なって、ある教会で神父の代理を務めることに……。
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『Swallow/スワロウ』 病という意味

異食症という病を患うことになった女性を描いた作品。異食症とは「栄養価の無いものを無性に食べたくなる」という症状で、主人公のハンターはビー玉から始まり画鋲なども飲み込んだりすることになる。ハンターはなぜそんな異常な行動をすることになってしまったのか?
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『ソング・トゥ・ソング』 独自のスタイルは変わらず……

音楽業界で夢を追う主人公フェイは、大物プロデューサーのクックと付き合っているのだが、売れないソングライターBVのことが気になっている。華やかな音楽業界を舞台に美男美女の三角関係と、それぞれの夢を追う姿がテレンス・マリック独自のスタイルで描かれる。
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『バクラウ 地図から消された村』 宇宙と西部劇とJCと

なぜか棺桶が散乱している田舎道を、トラックがそれを潰しながら走っていく。その先にあるバクラウ村では長老の女性が亡くなり、それ以降異変が起きている。UFO型のドローンが空を飛び、ネット上の地図から村の情報が消える。バクラウではいったい何か起きている?
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キム・ギドクが死んだ?

キム・ギドクが亡くなったというニュースを先日知った。 それでも情報としてはそれだけだし、母国の韓国から伝えられることもほとんどなく、未だに信じられないでいる。
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『燃ゆる女の肖像』 同性愛とオルフェウス

肖像画を依頼された画家と、モデルとなるお嬢様。完成した肖像画はお見合い写真代わりに将来の結婚相手に送られることになっているのだが、お嬢様は結婚を望んでいなかった。今よりも女性が不自由だった18世紀を舞台にした、同性愛をテーマにした作品。
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『魔女がいっぱい』 子供たちへのメッセージ

魔女は実在する。ごく普通の人間のフリをして町の中に潜み、大嫌いな子供たちをこっそり動物にしてしまおうと狙っているのだ。 アン・ハサウェイが初めての悪役に挑戦した作品で、『メリー・ポピンズ』みたいな魔女をイメージしていると仰天するかもしれない。
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『ルクス・エテルナ 永遠の光』 地獄巡りという恍惚

ギャスパー・ノエ監督の最新作。ラストの磔のシーンを撮りたかっただけかと思わせる中編で、ほとんどそのワン・アイディアで押し切っていく。ラストの光の点滅シーンは、端的に言えば真っ当に見られるものではないかもしれない。
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『天使/L’ANGE』 何を観たのか?

1982年公開の実験映画のリバイバル。 説明することも難しい音と映像の世界。『アンダルシアの犬』も意味不明な話だったが、何が描かれているのかは明確だった。しかし、『天使/L'ANGE』においては自分が観ているものが何のかもよくわからなくなってくる。
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『ザ・ハント』 どっちもどっち

トランプ大統領が激怒して公開が危ぶまれることになった作品。 本作がトランプ大統領の支持者である保守層が、民主党支持者に多いリベラルエリートたちに殺されていく話になっているからだ。トランプ大統領はSNS上でハリウッドを非難したらしいのだが……。
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『82年生まれ、キム・ジヨン』 自戒を込めて

韓国で130万部のベストセラーとなり、社会現象となった原作の映画化。 家父長制が色濃く残る社会で差別的な扱いを受ける韓国の女性たち。キム・ジヨンという名前は82年に生まれた人の中で一番多いのだとか。そんなどこにでもいる女性が主人公ということになる。
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『TENET テネット』 眩惑か困惑か

われわれの世界では時間は過去から未来へと流れていく。しかし一部の人間が時間を遡れるとしたらどうだろうか? この映画では「順行」する人間と、「逆行」する人間が、同じ場所を共有する。まったく観たこともないような奇妙な現象が本作では起きているのだ。