外国映画

『最初で最後のキス』 迷わず行けよ、行けば分かるさ?

田舎の高校へと転校したロレンツォは、派手な服装ゆえに初日から「オカマ野郎」と罵られる。それでも「Born This Way」の歌詞のように、自分を肯定するロレンツォは自分を偽ることをしない。妄想癖のあるロレンツォが将来のスターを夢見て、クラスメートの前で踊りまくるシーンが楽しい。しかし、そんな青春も長くは続かず……。
日本映画

『メランコリック』 説教される東大卒の悲哀?

本作は新人監督による長編デビュー作で、『カメラを止めるな!』に続く作品として話題になったとか。 東大卒のニート和彦がバイトとして働くことになった銭湯は、実は「人を殺す場所」として使われていて、というあり得ない設定。裏稼業に巻き込まれる東大卒が、そのダメさ加減を金髪チャラ男(実は殺し屋)に説教されるところが妙におかしい。
テレビドラマ

『ヤング・ポープ 美しき異端児』 人間という矛盾した存在

2017年にジュード・ロウが主演したHBO製作のテレビドラマ。アメリカ出身で初めて教皇となったという架空のピウス13世の姿を描く(全10話)。 ピウス13世は尊大で怖いくらい自信に満ちた教皇だ。それでいて、人を愛すのは苦しくてつらいから、神を愛すのだと語る時には弱い部分も感じさせる。ジュード・ロウの祭服姿は必見。
テレビドラマ

『テセウスの船』 彼は昔の彼ならず

殺人犯の息子として日陰者として生きていた田村心は、タイムスリップして事件が起きる前の父親と会うことになる。そして、父親が犯罪とは縁遠い正義感に溢れた人間であったことを知る。心は父親の冤罪を晴らすために奔走する。今年の1月から放送され高視聴率を獲得したテレビドラマ。今さらだがParaviで配信中なので観てみることにした。
外国映画

『若者のすべて』 われわれが待望するもの

アラン・ドロンが『太陽がいっぱい』と同じ年に主役を務めた、ルキノ・ヴィスコンティ監督作品。 ドロンが演じるロッコはドストエフスキーが『白痴』で描いた「聖なる愚者」に連なるような存在だ。とにかく信じられないほどの善人であるロッコは、都会に来て堕落してしまった兄シモーネから散々酷い目に遭いつつも彼を見捨てないのだった。
外国映画

『コンテイジョン』 予見ではなくシミュレーション?

ついに緊急事態宣言が出されるまでになった新型コロナウイルスで、改めて注目されることになった2011年の作品。本作が話題となったのは、この映画が現在世界中で起きている出来事を予見していたように見えるからだろう。映画で描かれるのは架空のウイルスの話なのだが、新型コロナウイルスという災いを知るためにも極めて役に立つ。
外国映画

『STOP』 かき消される貴重な声

キム・ギドクが3.11を描いた作品。日本では2017年の5月に一部劇場で公開されたが、ソフト化もされていない。そんなレアな作品がU-NEXTで配信中。 ギドクが日本にやってきてわずか7日間で撮影したというだけに、拙い部分は見受けられる。それでも本作には伝えるべきメッセージがあるというのがギドクの信念なのだろう。
外国映画

『人間の時間』 人類の行く末は?

スキャンダルで公開が延期となっていたキム・ギドク作品。 なぜか急に空へと浮かんだ船に閉じ込められた乗客たち。残された食料は限られ、船上は弱肉強食の世界と化していく。 ギドクが独自に解釈した聖書の物語とも言える作品で、「なんてことを考えるんだ」と絶句するしかない突飛な展開で、ファンとしては久しぶりのギドクを堪能した。
外国映画

『ジョン・F・ドノヴァンの死と生』 「世界」と「自分」

『わたしはロランス』『Mommy/マミー』などのグザヴィエ・ドラン監督の最新作。 ジョン・F・ドノヴァンというスターが若くして死ぬ。彼と密かに手紙をやり取りしていたルパート少年は、その後その手紙をもとにした本を出版する。そこにはジョン・F・ドノヴァンがなぜ死ななければならなかったかについて書かれていた。
日本映画

『Fukushima 50』 素朴な疑問を

3.11に発生した東日本大震災。福島第一原子力発電所では全電源を喪失し、原子炉がコントロール不能という状況に陥る。あの日、原発では何が起きていたか。それを忠実に再現した作品。 原発事故の恐怖を知らしめるには役に立つ作品と言えるのだが、一方でそんなことを引き起こした原因についてはスルーしているのはなぜなんだろうか?
外国映画

『チェルノブイリ』 真実を隠すための物語

1986年のチェルノブイリ原子力発電所事故を描いたドラマシリーズ。かつては他人事だったチェルノブイリも、3.11を経験した今となっては切実なものに感じられる。なぜ人間の力でコントロールできないようなものを作ってしまったのと思わざるを得ないからだ。現在公開中の『Fukushima50』と共にぜひともおさえておきたい作品。
外国映画

『レ・ミゼラブル』 イッサに何が起こったか

マチュー・カソヴィッツの『憎しみ』のようなパリ郊外(バンリュー)を描いた作品。モンフェルメイユという街はユゴーの小説『レ・ミゼラブル』の舞台ともなった場所だが、今では移民などの低所得者層が多く住む地域。それぞれのグループが徒党を組みヤクザの抗争のような状態にある街が、ある少年のいたずらによって一触即発の事態へ……。
タイトルとURLをコピーしました